この前 本多静六という1952年に85歳で亡くなった大学教授の本を読みました。
「私の体験によれば、人生の最大幸福は仕事の道楽化にある。富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない。道楽化を言い換えて、芸術化、趣味化、娯楽化、遊戯化、スポーツ化、もしくは享楽化等々、それはなんと呼んでもよろしい。すべての人が、おのおのその職業、その仕事に、全身全力を打ち込んでかかり、日々のつとめが面白くてたまらぬというところまでくればそれが立派な職業の道楽化である。いわゆる三昧境(ざんまいきょう)である。・・・・職業を道楽化する方法はただひとつ、勉強に存する、努力また努力のほかはない。あらゆる職業はあらゆる芸術と等しく、初めの間こそ多少苦しみを経なければならぬが、何人も自己の職業、自己の志向を、天職と確信して、迷わず、疑わず、一意専心努力するにおいては・・・その仕事は苦痛ではなく、負担ではない。歓喜であり、力行であり、立派な職業の道楽化に変ってくる」
20〜30代くらいまでのほとんどの人が、今取り組んでいる仕事に不満があって、自分が好きになれる仕事(環境)を探しているのではないでしょうか?社会ではそれがある意味肯定的な行動とも捉えらたりします。フリーターと呼ばれる人たちはそれを肯定的な作業として胸を張るかもしれません。嫌いな仕事を我慢してやってて、人生に何の意味があるのかと・・・。10代20代であればそういう考え方も一理あるでしょう。
最大の幸せは仕事の道楽化にあると本多先生はいっています。仕事の道楽化が最大の幸せ。男にとってその通りでしょう。でもそんな道楽のような仕事はどこを探し回っても転がってはいません。
しかし、それは自分が一つのことを馬鹿になって努力をすることで誰にも手に入れることができるということらしいです。そうすれば、誰にでも日々のつとめが面白くてたまらなくなることは、可能と言っています。人生は歓喜。仕事が歓喜になったらこんなに毎日が楽しいことはないでしょう。ちょっと見方、考え方を変えただけで、仕事が道楽になる。特に20代30代の人。まだ間に合います。